25コの環境政策:第22回参議院議員選挙版
エコ議員つうしんぼによるエコ政策、あなたは提案する人ですか? それとも反対する人ですか?
(すでに提案されている方も改めて広い周知のため、ぜひご協力ください。)
1問目 生物多様性の観点から事業仕分け
生物多様性を崩す恐れのある地形改変、道路整備、区画整理、海岸整備、ダム事業、干潟干拓、山の切り崩しなどの事業は一時停止し、持続可能な社会と低炭素社会の実現という観点で、国民に見える方法により見直し、仕分けを行い、その結果を説明した上で、必要な事業のみを着工する。
2問目 1次産業の建て直し10カ年計画の策定
食の安全保障、国民の生活と幸せに直結した国の最重要課題である。化学肥料や農薬の使用により1次産業そのものが土壌、水、大気の汚染の原因となっている現状を克服し、生物多様性と環境保全の観点から抜本的建て直し政策を構築するため、環境省、農水省、国土交通省、経産省の横断プロジェクト「1次産業建直し10カ年計画」を策定、実行する。区画整理も見直し、都市型農業も奨励する。
3問目 水産資源の持続可能な利用
漁港整備など公共工事偏重の水産予算を見直し、生態学の科学的データに基づいた資源の保護および持続的利用を徹底するため、水産庁と環境省に共同管轄の「持続可能な漁業委員会」を立ち上げ、中長期的に漁業者にも恩恵のある海洋保護区の設定など持続可能な漁業体制の構築を行う。
【背景】FAO(国連食糧農業機関)の報告によると世界の主要な漁業資源の70%以上は完全に搾取されているか、または激減している。クロマグロ類には新たな国際的な漁業規制が採択された。日本沿岸漁業ではマサバ、マイワシ、スケトウダラなどを含む多くの魚種の資源状態が「低位水準」、漁業就業者も20万人まで減少しており、減少した漁獲量を回復させるためには、その主要因である過剰漁獲能力を持つ船舶による漁業資源の乱獲、海洋汚染や沿岸開発を適正管理する必要がある。
4問目 調査捕鯨からホエールウォッチング
捕鯨は、持続可能な水産資源利用と外交配慮、国費投入への民意の納得性を考慮し、水産業の振興ではなく、野生生物の保全と活用のバランスの取れた観点から検討することとし、管轄を水産庁遠洋漁業課から環境省へ変更するとともに、情報公開の徹底、地域の雇用創出のためのホエールウォッチング、エコツアー観光業を促進する「ホエールウォッチング促進法」を策定する。
5問目 環境裁判所
国内の環境、生物多様性、温暖化、自然保護に関する争議を専門的に扱うため、公害等調整委員会を改組して、天下り官僚によらない各省庁から独立した環境裁判所的役割を果たす独立機関を作る。
6問目 温暖化防止
地球温暖化を防止するため、2050年80%削減、2020年25%削減を明記し、特に、日本が低炭素の経済社会に転換するために、他の国に左右されない2020年から2050年までの10年ごとの日本の国内削減率を明確にしつつ、それを実現するための具体的策を示す「地球温暖化対策基本法」を制定し、あわせて、一般国民や報道関係者などへの情報提供・普及啓発活動を組織的に実施するための「環境情報促進法」を制定する。
【背景】現在日本国の掲げている温室効果ガス削減目標は1990年比25%。ところが未だ経済界の足並みは揃っているとは言えない。25%を達成するために必要なのは生活の価値観の転換までを含めた低炭素社会の創出、日本社会の産業構造の変化である。その中には工業偏重社会の是正、1次産業の再興も含まれる。そのためには、国際動向によることなく、日本の独立した意思として実現する2020年の削減率を明記し、これを第一歩として、10年毎の削減率を明記することによって、2050年80%削減を本気で実現する意思が不可欠である。また、そのための具体的政策が必要である。その上で、国民・企業、メディア関係者に対する更なる国民啓発、情報提供、報道機関の活性化が必要である。
7問目 自然エネルギー
風力、バイオマス、太陽光発電など、民間の自然エネルギー発電設備の促進のため「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」は廃止し、発電量の全量を固定価格で買い取る「電力固定価格制度」を策定するとともにスマートグリッドの送電網を整備する。
【背景】新エネルギーの普及を目的した「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」は、需要家や電力会社に一定割合の自然エネルギー供給を義務づけているが、2010年の新エネルギーの導入目標値が1.35%、07年に決定した14年の目標値も1.63%と小さく「阻止法」との批判もある。近年、欧州では自然エネルギーの普及が著しく、ドイツの総電力消費量に占める自然エネルギー割合の目標は2020年に20%、オバマ米大統領は、2014年までに10%、2025年までに25%の目標を掲げ、現在環境エネルギー分野の成長で経済を活性化させる政策を進めている。これらと比較しても日本の現在の目標値は低い。さらに原子力への偏重は、太陽光発電分野で先端技術を持つ日本企業の成長を阻害している。
8問目 原子力基本法と発電行政の見直し
持続可能でありかつ民意を反映した発電行政のために、原子力発電所、化石燃料を使う発電所、再生可能エネルギーを使う発電所など、それぞれの発電所のコストやリスクを透明かつ客観的に議論する「持続可能発電委員会」を内閣の下に発足させ、生態系への影響、持続可能性への考慮から、原子力基本法を見直し、2年後の新たな「持続可能発電法」制定をめざす。
【背景】原子力発電は過渡期的発電であり持続可能ではない。資源国でのウラン採掘時の環境汚染とCO2排出、日本国内での情報公開と説明責任コストや国民の知る権利のコスト、運転リスク、地震活断層リスク、核廃棄物処理リスク、食糧への風評被害、未来への負担を考慮すると、安価でローリスクなエネルギーではない。日本のエネルギー政策は現在原子力偏重である。原子力委員会(内閣府)、原子力安全委員会(内閣府)、原子力安全・保安院(経産省)などの担当官庁には環境省が入っておらず、生態系チェック体勢は不十分である。
9問目 普天間移転沖縄辺野古ジュゴン保護
普天間移転の辺野古海域では、今後、ジュゴンの保護について配慮した環境アセスメントの報告書が出る予定であるが、それはIUCN勧告案に沿った飛行場移転しないゼロオプションの案を調査検討に含めた報告書のみを有効とする。
【背景】日本に最後に残されたジュゴンの生息地である沖縄県辺野古海域のゆたかな自然は、米軍普天間代替基地建設で崩壊の危機に直面している。2008年10月中旬、スペイン・バルセロナで開催されたIUCN(国際自然保護連合)の第4回世界自然保護会議において、日本の環境NGOが提案した「2010年国連国際生物多様性年におけるジュゴン保護の推進」勧告案(CGR4. MOT027)が、賛成多数で「勧告」よりさらに一歩ふみこんだ「決議」として賛成多数で採択された。このIUCN勧告案は、同基地建設に関わる環境アセスメントに、ゼロオプション(辺野古に作らない・移転しない案)を比較検討する事を求めており、ジュゴンに対して悪影響があると判断した場合は、影響を回避、緩和する新たな施策の採用を要求している。
10問目 八ツ場ダムなどのダム事業の抜本的な見直し
群馬県八ツ場ダム、長崎県石木ダム、愛知県設楽ダムなど、その有効性に疑問があり環境に影響を及ぼすおそれがある全国のダム事業は本体工事のみならず、関連事業も含めて一旦事業を停止し、必要性、危険性などについて科学的な検証、徹底した情報公開を行い、継続か中止かの判断を行うとともに、長年のダム計画で破壊されてきたダム予定地域の再生、住民の生活再建に早急に取り組む「生活再建支援法」を策定する。
11問目 沖縄県東村高江地区の米軍ヘリパッド基地建設の見直し
東村高江(ひがしそん・たかえ)地区に建設予定の6つのヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)は、IUCN勧告にしたがい、ゼロオプションを含む代替案を検討し、米国に対しては交換条件なしの北部訓練場返還交渉を進める。
【背景】沖縄本島北部東村周辺にひろがるやんばると呼ばれる森は、イタジイを優占種とする亜熱帯林できわめて優秀な生物多様性を保持している。在沖縄米国海兵隊の北部訓練場には4000種をこえる野生生物が記録され、ノグチゲラ、 ヤンバルクイナをはじめ絶滅危惧種や固有種が多く存在する。北部訓練場の一部返還の交換条件とされている東村高江地区に建設予定の6つのヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)は、やんばるの生物多様性の破壊をまねくとしてIUCN(国際自然保護連合)は、日米両政府にゼロオプションを含む代替案の検討を勧告した。
12問目 高尾山の圏央道事業
圏央道高尾山トンネル工事を中断し、迂回路など代替案を検討する。
【背景】植物類1321種(日本一の植物種数)、昆虫類5000種(日本三大生息地)、野鳥150種(日本生息数の4分の1)、ほ乳類28種、人間が年間200~300万人登山する奇跡の生物多様性、水の山、東京都高尾山。この優れた生物多様性は、高尾山の豊かな水環境により守られている。大都市近郊にある豊かな自然として評価され、2年連続でミシュラン三ッ星観光地に選ばれているが、昨年、高尾山トンネル工事によって、高尾山の土壌水分に異常が見られることが判明した。
13問目 有明諫早干拓事業の水門開放調査
諫早湾干拓事業は、水門を開放調査し、その報告書を一般公開し、有明海全体の生態系修復事業に着手する。
14問目 沖縄の泡瀬干潟を国立公園に指定
豊かな自然が残る沖縄の泡瀬干潟を保全し、観光資源などに活用するため、国立公園に指定し、ラムサール条約の湿地として登録する。
【背景】沖縄県泡瀬干潟は世界でも稀な珊瑚礁の干潟であり、海草139種、貝類312種、鳥類150種という生物多様性の宝庫、貝類については貴重種のみならず新種も発見されている。
15問目 山口県上関原発の中止
中国電力の上関(かみのせき)原子力発電所については、その場所が生物多様性のホットスポットであることに鑑み、山口県による中国電力に対する埋め立て許可を一時停止し、生物多様性などに特に留意して公平な専門家による環境アセスメントを行い、その結果を情報公開し、第三者が評価するなど透明性の高い生物多様性調査実施と評価を実施する。
【背景】中国電力が上関(かみのせき)原子力発電所建設の埋め立て予定地にしている山口県上関町長島・田ノ浦周辺海域は、国際的な保護鳥であり天然記念物である日本特産種、カンムリウミスズメの繁殖の可能性が指摘され、ナメクジウオ・ヤシマイシン近似種・スギモク、スナメリなど希少な生物が生息する生物多様性ホットスポットである。日本生態学会、日本鳥学会、日本ベントス学会からも再調査が要請されている。
16問目 農薬ネオニコチノイドへの規制
生物多様性と農業への影響、人間への影響の両側面を調べる情報公開型のネオニコチノイド調査会を参議院選挙後速やかに発足させて、調査検討を行い、2010年度中に、その結論を出す。
【背景】世界的に起きている蜜蜂が巣に戻れなくなる症候群の原因として農薬とダニ・ウイルスの問題が挙げられている。なかでも近年日本でも多用されている農薬成分「ネオニコチノイド」の要因は大きいとしてフランス最高裁判所は2006年その使用を禁じたが、日本の食品安全委員会農薬専門部会では検討されてはいるものの方針は未定である。
17問目 長寿命住宅
日本の木材自給率は20%、樹木が育つのにかかる年数は50-100年、国産木材を利用した長寿命住宅の建築は日本の急務であり、日本の住宅産業の安価な外材輸入が、世界の森林が破壊、国内の林業家破綻に繋がっているとの指摘も看過できない。国産材の利用を促進し、伝統工法の保全も含んだ「国産材長寿命住宅促進法」を策定する。
18問目 遺伝資源の利用
生物の遺伝資源に企業がアクセス・利用する場合は、先住民・地域社会が有する伝統的知識や持続的に利用する権利の尊重を講じるとともに、生物多様性の一側面としてそこから得られる利益の一部を、その遺伝資源となる生物が由来する環境の保全にあてるとの国際社会の考え方を、日本は積極的に支持するとともに、国内法を制定するとともに、国際社会と協力して国際制度創設の合意を得るように努力する。
【背景】各国に存在する微生物や植物の中には未知の性質を有するものが多く、医薬品、健康食品、工業原料の製造等への活用が期待されているが、生物多様性条約発効後、遺伝資源は各国の主権の下に置かれることが明確に規定された。資源提供国は、遺伝資源の利用から生じる利益の公正かつ公平な配分を確保するための法的拘束力などを求めて国際的枠組みの策定を早急に行うべきだと主張する一方、これに反対する一部の先進国もおり、2010年10月に名古屋で開催される生物多様性条約第10回締約国会合に向けて、国際交渉が進められている。
19問目 森林管理は林野庁から環境省へ
国有林内の天然林及び保安林制度など森林保護制度は、自然環境保全、生物多様性保全の観点から、すべて環境省に移管し、林野庁は林業振興の観点から環境省と協議して事業を進める仕組みに改組するとともに、国民の意見を反映した国有林保護政策を実施する。
【背景】わが国の国土面積の3分の2は森林だが、原生的で自然豊かな天然林は森林全体のわずか1.5割にも満たない。林野庁は2005年以降天然林を次々と伐採、国有天然林は林野庁によって危機にさらされている。林野庁がこのまま天然林を扱うことは、日本に残存する貴重な森林生態系の消失を意味する。また、林野庁には、保安林制度など森林保護の制度があるが、この行政も環境省に移管する、これにより、林野庁は林業振興の立場から、環境省は森林保全の立場から、チェック・アンド・バランスが働くことになる。
20問目 環境情報促進のための入札改革
情報発信を恊働する専門技能を持つ業者の選定や実際の案の選定方法に関しては、国民へ丁寧な環境情報を発信し、国民の知る権利、民主主義の成熟を促すために、橋や道路工事など価格を競う「価格入札」を原則とするのではなく、透明性・第三者審査などの仕組みを整備した上で、同じ価格のもと透明性の高い内容競争を経て契約される「内容入札」(「随意契約」と呼ばれていたもの)を基本とする。
【背景】環境経済への転換にはライフスタイルの転換が不可欠である。そのためには大量の情報発信が必要である。情報発信には専門技能が必要である。現在まで行政機関には専門職いわゆる広告コピーライターやクリエイティブ・ディレクター、デザイナーやアートディレクターなどの広告人材の登用はない。これらの才能を有しているのは、中小企業であり、現在の「価格入札」では、入札資格さえ与えられずに入札から排除されて大手企業の下請化を余儀なくされ、国はオーバーヘッド・コストを大手企業に支払うという無駄を生じている。随意契約ではなく、透明性・第三者審査などの制度を整備すれば、質の高い仕事を提供できるし、国も大手企業に対するオーバーヘッド・コストを負担しなくてもよくなる。
21問目 自転車専用道路の整備
過剰な需要予測による自動車専用道路の整備計画を見直し、全国地方都市・首都圏など都市部における慢性的な交通渋滞の緩和と温室効果ガスの排出抑制、通勤時の精神的苦痛を和らげるなど健康増進などの効果もある自転車専用道路の整備を推進するため、車道の一部を自転車の専用とする「自転車専用道路促進法」を制定する。
22問目 低炭素コンパクトシティ
少子高齢化、人口減少社会、温室効果ガス削減や生物多様性などの課題に対処するために、人口増加と拡大する都市を基本コンセプトとした都市計画や道路整備計画を抜本的に見直し、都市機能の拡散を抑制し、公共交通を基幹交通機関とし、さらに路面電車の復活や鉄道とバスの円滑な連携など、歩いて生活できるコンパクトな都市形成を誘導する「低炭素コンパクトシティ促進法」を制定する。
【背景】バイパス沿いなど郊外の大規模商業施設の新規立地は「都市の拡散」を促進しており、中心市街地や地域コミュニティや商店街の衰退、犯罪の増加を誘発、周辺にある里地・里山を開発、自然環境にも大きな影響を及ぼしている。自家用車への依存も高まり、二酸化炭素の排出増をもたらし、公共交通機関の利用者も減少させている。これまでの都市計画は、人口増加と都市の拡大を基調としてきたが、日本は、少子高齢化・人口減少の課題への対処を迫られており、都市部においては車社会から歩いて暮らせる社会への転換が必要となっている。
23問目 国交農水の地方整備局など国の出先機関は自治体下へ
地方分権を進めるため、国土交通省や農林水産省など中央官庁の出先機関である地方の整備局や管理局などは、国が持っている権限・予算・人員を地方自治体の管轄下に移し、その目的を首長の政策実行へと転換させる。
24問目 環境省の機能強化
低炭素社会づくり、生物多様性の保全は持続可能な社会の創造における基礎であり、これらを積極的に推進するため、環境省の権限・予算を強化する。特に、鯨やジュゴンやマグロその他の海洋生物の保全と乱獲防止、発電政策における原子力関連の情報開示やシビリアン・コントロール、核廃棄物のチェックなどは、チェック・アンド・バランスの考え方に基づき、推進官庁と安全・保全官庁とを分離すべきであり、それらの事項の監督官庁を環境省内におくよう移管を進める。
25問目 ペット購入資格審査の厳格化
毎年35万頭といわれる日本の犬猫の殺処分をゼロにするため、ペットショップで自由に購入できる現行の制度を見直し、ペットの購入者の資格審査を厳格化する。また地域猫人道不妊手術を推進する「TNR推進法」を導入する。
【背景】地域猫を人道的に捕獲し不妊手術をし、耳先をV字にカットして元の地域へ返すことで子どもを産まないとひと目でわかる猫が増え、殺処分される猫が減る。これがTNR(トリート・ニューター&リターン)法。このTNRを導入して殺処分ゼロを達成する地域が近年増えている。


